子どものいじめ

いじめによるお悩みはありませんか?

 当事務所では、いじめの被害者側の学校問題にも携わっております。

 保護者の皆様や児童生徒の皆様、以下のようなお悩みはありませんか?

学校でいじめられている。

いじめられているのを訴えているのに、学校が動かない。

いじめられて、不登校になった。

いじめられて、抑うつ状態や適応障害、うつ病等の診断を受けた。

いじめられて、子供が自死(自殺)した。

日本スポーツ振興センターの災害共済給付金が支給されなかった。

いじめを巡って学校や加害者と話し合いをしているが問題が解決しない。 等々

いじめが起きたら何が出来るの?

 子どもがいじめを受けた場合には、学校(公立学校の場合は公共団体)や加害生徒・加害教師の加害者に対する損害賠償請求等の法的な対応を取ることが考えられます。法的な対応のなかで、謝罪、真相の究明や再発防止を求めることも考えられます。

 また、学校やその設置者(公立の場合は地方自治体(教育委員会)、国立の場合は国、私立の場合は学校法人)に対して調査を求めることも考えられます。調査を求めることで、何があったのかを明らかにできる場合があります。

 さらに、いじめで怪我や自死(自殺)等の事態が発生した場合は、学校の管理下における児童生徒等の災害に関する必要な給付等を行う独立行政法人日本スポーツ振興センターから、災害共済給付金を受け取れる可能性があります。

いじめとは?

 いじめ防止対策推進法は、いじめについて、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」と定めています。

 学校とは、学校教育法に規定する小学校、中学校、義務教育学校や高等学校等で、児童等とは、学校に在籍する児童又は生徒をいいます。

 いじめの具体例については、いじめ防止等のための基本的な方針において、以下のように述べられています。

 ① 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる

 ② 仲間はずれ、集団による無視をされる

 ③ 軽くぶつけられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする

 ④ ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする

 ⑤ 金品をたたかれる

 ⑥ 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする 等々

 ネット技術が普及することによって、ネットいじめも行われています1

いじめに対して学校等はどのような措置をとる必要があるの?

 いじめ防止対策推進法は、いじめに対する学校等の措置について以下の内容等を定めています。

 いじめ防止対策推進法23条1項 学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。
2項 学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。
3項~6項 略

第三者調査委員会とは?

 いじめ自死についての第三者調査委員会の調査結果等の報道がなされたりしていますが、第三者調査委員会とは、重大事態が発生した際に、学校の設置者(教育委員会)等の下に設置される、第三者が参加する調査委員会です。

 学校の設置者(教育委員会等)や学校は、以下の①と②の場合には、重大事態に対処して、重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、学校の設置者(教育委員会等)又は学校の下に組織を設け、質問票の使用等の方法によって重大事態の事実関係を明確にするための調査を行うものとされています

 ① いじめにより学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき(例えば、児童生徒が自死を企図した場合、身体に重大な傷害を負った場合、金品等に重大な被害を被った場合、精神疾患を発病した場合。)。

 ② いじめにより学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき(相当の期間については、30日が目安とされています。ただし、児童生徒が一定期間連続して欠席しているような場合は、目安にかかわらず、学校の設置者(教育委員会等)又は学校の判断で、迅速に調査に着手することが必要です。)。

 重大事態の事実関係を明確にするための調査を行う主体は、学校の設置者(教育委員会等)や学校ですが、学校の設置者(教育委員会等)や学校は、速やかに、その下に、調査を行うための組織を設けることとされています。

 この組織の構成については、弁護士や精神科医等の専門的知識や経験を有するもので、いじめ事案の関係者と直接の人間関係や特別の利害関係を有しない第三者について、職能団体等からの推薦により参加を図ることによって、調査の公平性や中立性を確保するよう努めることが求められています。

 ただし、実務上の問題として、職能団体等から推薦によって第三者性が必ずしも確保されるわけではないこと2、そもそも重大事態として扱わなければならないのに重大事態として扱わなかった事例がある3等の問題も指摘されています。

 また、重大事態が発生したからといって、全件に第三者のみで構成される第三者委員会が設置されているわけではありません。2022年度では重大事態の発生件数に対する第三者委員会の設置件数の割合が12%~20%に過ぎない、学校が調査主体となる場合そのほとんどにおいて第三者委員会が設置されていない等の指摘がなされています4

 ですので、公平性や中立性が確保された調査が第三者委員会によって適切に実施されるよう求めていくことが重要です。

子どもの自死(自殺)が起きた時の学校の対応は?

 子どもの自死や自死が疑われる死亡事故が起きた場合、学校の設置者(教育委員会等)や学校は、背景調査(基本調査と詳細調査)を主体的に行う必要があります。

 基本調査は、事案発生後に速やかに着手する、全件を対象とする基本となる調査です。学校がその時点で持っている情報や基本調査の期間中に得られた情報を迅速に整理するものです5

 詳細調査は、基本調査等を踏まえて必要な場合に、弁護士や心理の専門家等の外部専門家を加えた調査組織において行う、より詳細な調査です6

 背景調査(基本調査や詳細調査)を行う必要がある子どもの自死や自死が疑われる死亡事故は、重大事態に当たります。

 いじめによる子どもの自死が起きた場合も、ご遺族は、公平性や中立性が確保された調査が第三者委員会によって適切に実施されるよう求めていくことが、重要です。

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    1. 細川潔、和泉貴士、田中健太郎.弁護士によるネットいじめ対応マニュアル‐学校トラブルを中心に.エイデル研究所,2021.12 ↩︎
    2. 永田憲史.いじめ防止対策推進法の重大事態の研究.関西大学出版部,2024.9,p.65 ↩︎
    3. 永田憲史.逐条解説「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」.関西大学出版部,2023.12,p99‐102、永田憲史.いじめ防止対策推進法の重大事態の研究.関西大学出版部,2024.9,p.57‐58 ↩︎
    4. 永田憲史.いじめ防止対策推進法の重大事態の研究.関西大学出版部,2024.9,p.8‐10 ↩︎
    5. 子供の自殺が起きたときの背景調査の指針5頁 ↩︎
    6. 子供の自殺が起きたときの背景調査の指針5頁 ↩︎